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「浪費図鑑」を読んで、自分の仕事が楽しくなった話

跡部様ご生誕おめでとございます!!!!!!

 

突然ですが、もぐもぐさんという方の文章が本当に好きです。

インターネットもぐもぐ

ポケGOの文章を読んだときから虜になって、ブログ内の記事を多分全部読み漁りました。

20年ぶりの「ヒトカゲ、君に決めた」 - インターネットもぐもぐ
1996年の夏、わたしは6歳で、小学1年生だった。宿題やってくる、って親に言い訳しながら、友達の家や近所の公園や児童館にゲームボーイ片手に集まって、ポケモンのレベル上げにいそしんだり、近所の年上のお兄ちゃんにどうしてもここから先にいけないんだよ~って泣きついたり、同じジムリーダーに何回も挑戦したりしてた。チューペットを...

疲れたときは、この方の文章を読むようにしています。ポケGOの記事なんて、何回読んだか! 読む度にばかみたいに泣いちゃう。

 

この方が所属しているサークル「劇団雌猫」で発行された「悪友」という同人誌があるんですよ。結構話題になってたから、知ってる方も多いと思うんですけど。

【お知らせ】冬コミ3日目に「浪費」がテーマの同人誌「悪友」を出すよ!&浪費事情アンケートまとめ - インターネットもぐもぐ
きっかけは、下世話な興味でした。 私の周りの愉快な友人たち、あるいはTwitterで見かけている淑女のみなさんたちは多趣味な人が多くて、毎日楽しく飲み食い食べ遊び買い漁り泣き笑い、舞台やコンサートのチケットを集め、西へ東へ遠征し、ツヤツヤ輝く玉のようなJPGを得るべくゲームに課金し……えー、まあ、とにかく精力的に経済を...

インターネットじゃ言えない話」というサブテーマで、結構赤裸々に推しに注ぎ込むお金の話をしている同人誌です。どれくらい生活費削ってるかとか、なかなか言えないもんね。

色んな方に寄稿してもらったエッセイを集めてあったり、ネットアンケートの集計が載ってたり、その結果を見ながら劇団雌猫の皆さんが座談会をしてたりと、同じ趣味の人たちの女子会をのぞき見ているような心地になれる本です。

冬コミで頒布されてたんですけど、日程が合わなくて買いに行けなかったので、後日通販しました! にやにやしながら、ぞっとしながら、とっても興味深く拝見しました。

お名前伏せられてたけど、もぐもぐさんご自身のエッセイらしきものもありました。あのフランクでじんわりくる文章には覚えがある。大好きです。

で、この本が、再販を繰り返すくらいとても人気だったこともあって、商業書籍化されたんですよ!

都会はこういう文化(即売会やネットから面白いコンテンツが生まれる文化)にとても敏感だし、早いうちにリークするところも多いみたいで、連日「店頭に山積みしました!」みたいな書店さんのツイート拝見したんですけど、田舎の書店ではマジで死蔵してるんですよ……勿体ねえな……!

というわけで、何軒か探し回って、ようやく棚の隅っこに置かれてるのを発見して、買ってきました……!

「浪費」がテーマで、お金をつぎ込むことを特集したものなので、当り前なんですけど、違う趣味の人が見たら「ひえーっ」ってなるくらいお金をつぎ込んだ話が出てきます(笑)

やっぱり人間1人の稼ぎには限度があって、どれくらいの配分で、どれくらい欲しいものに割り振るかって、貨幣社会の永遠の命題なんですけど、色んな趣味の人が色んな角度からお金を使うことについて書いてらっしゃって、とても興味深かったです。

全体的に、「どうやって自分の中で折り合いをつけてるのか」とか「どんな心情の変遷があったのか」とか、とても小気味いい文章で書かれてる方ばかりなので、どれもこれも面白いです。

余談ですが、「劇団雌猫」ってサークル名は、跡部様由来だそうです。

 

「触って欲しい一心で浪費する女」の衝撃

一番衝撃的だったのは、「触って欲しい一心で浪費する女」のページ。

ちょっと、この本全て、どういう経緯でそのジャンルに浪費するに至ってるのか、軽妙な文章で書かれてる方ばかりなので、ネタバレは心苦しいんですが、「触って欲し」くて浪費されてる方が行きついた先は、化粧品カウンターだそうです。

さっくり簡単に言うと、「触って欲しい」欲求と、それにならお金は惜しまない気持ちと、しかしながら身の回りのメンテナンスにもお金を割かなければならない女性特有の金銭配分の悩みが、上手く合致した形が、化粧品カウンターだったということ。

「誰かに優しく触ってもらって癒してもらいたい」気持ちが、どういう変遷を経てそこへたどり着いたのかは、是非書籍を買って確認して頂きたいところです。

精神的な欲求と、実利的に必要なことが、上手くハマっていく様は、「すごく上手な落としどころを見つけたな!」という感想が口をついてしまいました。

なんか、さながらキレイに伏線回収していく映画を一本見たような心地。

 

で、このブログを普段から読んでくださってる方はご存知の通り、私の仕事は化粧品カウンターで化粧品販売をすることなわけです。

当たり前なんですけど、この方はお客様としてカウンターに来られたときのことを書いておられます。少し、本文を抜粋させて頂きますね。


ただしその時つけてもらうアイテムは、口紅やチークなどのポイントメイク用の化粧品ではいけない。スキンケアからベースメイクまでの過程に使用するアイテムを、どれかひとつでもいいので試させてもらうことが大事だ。
ポイントメイクであれば今のメイクの上からサクッと付けてもらうことがほとんどだが、ファンデーションや乳液など、顔全体で試す必要があるものはそうはいかない。
カウンターのお姉さんも腰を据えて、ヨッシャヤッタルデという顔つきで対応してくれる


すごい、この方わかってらっしゃる……!(笑)

好きなことに対する観察眼、分析力って、オタクの強みですよね。

そうなんですよ、スキンケア~ベースメイクの過程で使うアイテムだと、一度メイクを落としてしっかりばっちり全顔フルメイク(タッチアップ)をご提案するのが、普通です。ヨッシャヤッタルデってなります。

さて、化粧品カウンターにお越しの方は、色んな来店理由をお持ちです。

コスメが好きな方、化粧品にお金をかけることにプライドを持ってる方、わからないことを教えてもらいたい方、好きなBA(カウンターのお姉さん)と交流したい方、など。アンケートを取ったりしたわけではありませんけど、純粋に「自分に合う(好きな)化粧品が買えるから」来ている方は少ないかもしれません。

正直、無料のメイクアップやエステ代わりに思っている方も、一定数おられます。

「今日化粧品買ったし、今度催し物に出る日、朝一でメイクしてくれる?」と言われたことも、一度や二度ではありません。良心的な人になると、「メイク料払うから」になるんですけどね。

別にそれがいいとか悪いとか断じるわけではありませんが、化粧品カウンターは「化粧品を販売する場所」で、「ご購入品のより良い使い方をアドバイスしてからお帰り頂く」のが基本の運営方針なので、メイクサービスやエステサービスを提供できない場所が多いんですよね。私も、好きなお客様にそういったことをして差し上げられないことを、寂しく思うときもあります。

 

前置きが長くなってしまったんですけど、私はまさか、「触って欲しい」という理由でご来店されてる方がいるとは夢にも思ってなくてですね。

目からウロコどころの話ではないんですけど、それと同時に、「そういう方もいらっしゃるなら、もっと気持ちよくなって帰ってもらわなくては!」と決意を新たにした次第です。

「触って欲しい」欲求はきっと、「誰かの体温を感じたい」とか、「安心感を得たい」ところがすごく大きいと思うんですけど、疲れてるときとかしんどいときって、この感覚すごく良くわかりますよね。「バブみ」に近い。お母さんとか親友とか、性的な感覚を抜きにして、抱き合ったりして安心できる相手がいればいいんですけど、なかなか難しい。

BAはこの「人肌」「体温」「安心感」をばっちり修得した人が多いです

目や口周りなど、デリケートな部分も触るので、「お客様に安心感を」という意識や技術は叩きこまれます。

更に、「キレイになる」ためには、ストレスや冷えは大敵で、「安心感」「多幸感」「温かさ」というのは、とっても重要です。

お客様が色んな理由で、「キレイになれる喜び」と「安心感や多幸感を得ること」を両立させられるなら、それはBAの「お客様のキレイのお手伝いをする」という使命にもそぐうものなのでは、と考えたりしました。

もし、この浪費図鑑の方のように、「触って欲し」くて化粧品カウンターにお越しの方がいるなら、堂々と乳液やファンデーションを試したいってお声かけくださいね!(笑)

それで、お客様がキレイと安心を得られるなら、私どもも光栄です。

ちなみにこの方は、「コスメオタクでも何でもないけど、優しくしてもらってるお礼のように、化粧品を買ってる」ということで、お上手だなと思います。上記でも少し触れましたけど、明らかに何度も来られて何も買っていかない「エステ目的」の方は、やんわりタッチアップをお断りする場合もあるので、逆にBAに「タッチアップした甲斐」をくださるお客様は大好きです!(笑)

化粧品カウンターにも、ジャニオタやアニメオタクや歴女のBAは結構いるので、オタク仲間見つけるくらいのテンションで、遊びに来てください。

 

オタク向けのサービス

それから、最後の座談会のところで、「女性オタク特有かもしれないけど、イベントに向けて美容関係や服飾関係にお金をつぎ込んでしまう」「もっと社会にも、オタク向けのライフスタイルを提案してほしい」という話が上がってました。

具体案的としては、推しのための積立とか挙がっていました(笑)いいですね、貯金とか保険とか、大事だと思う。浪費を批判してるんじゃなくて、聖地巡礼のためのローンとかさ、良いと思いませんか?

そうなんですよ、オタクって層にはビジネスチャンスがいっぱい詰まってると思うんですよ。コラボグッズ、パネル展示だけが、オタクの望む企画じゃないんだよ。

企業的には、シニア向けとか主婦向けが稼げるターゲット層なんでしょうけど、オタクも趣味のためなら軽率にお金注ぎ込む人多いから、是非色んな会社からターゲットにされたいです。

この座談会見て、あああ~、それいいなあ~! って共感したんですけど、どちらかというと私はサービス提供側として「それいいなあ」でした。

オタクのBAやネイリスト集めて、イベント出発前に美容関係整えるサービスやったら、楽しくない?!

オフ会前に化粧直しとか、ライブや公式イベント当日朝にメイクするとか、遠征数日前に「当日はこういうメイクすると良いですよ」って一回見本メイクして差し上げるとか!

で、メイクの合間に「何のオフ会ですか?!」「最新話めっちゃ良かったですよね~! 昨日リアタイで観たんで、3時まで起きてました~!」って話するんでしょ?

めっちゃ楽しそう! って思ったけど、担当したBAと逆CPとか解釈違いだったら戦争の可能性あるな!www

そこは事前カウンセリングみたいなので、極力配慮するしかないな……。カウンセリングシートに、「推しジャンルを知ってるスタッフの方がいいor知らなくても良い」みたいな設問置いておいてさ。

あと、

  • いつもの担当BAはこの日曜日はイベント参戦するので出勤してません
  • チケットご用意されたのでこの期間は有休でいません
  • 修羅場中なので急遽欠勤です(社会人として最低)
  • 当事者のBA的には、職場のひとと推しジャンル被った場合、休み取れ無さそう

とかが深刻ですけど、その辺りクリアしたら、面白いサービスになりそう!

私も利用してみたいから、誰かやってくれ。

 

私は田舎住みなので余計なんですけど、ガチでオタク活動に人生捧げてる人は、進学や就職のタイミングで都会へ出るんですよ。都会の方が、ライブも舞台もコラボイベントもあるし、何よりアニメ映るもん!(最近はネット配信増えてきたけど、私たちが小さい頃は田舎はレンタルビデオしか観る手段がなかった)

そうすると、オタク話できる友達もみんな地元にいなくなっちゃって、なかなか別ジャンルとか、他の趣味(オタクと言えるくらいハマってるもの)の話を聞く機会が少なくなるんですよね。SNSでは同じジャンルのつながりの人が多いし。

そういうわけで、別ジャンルの方の、「好き」「ハマり具合」「楽しんでる様子」をいっぱい見られた「浪費図鑑」は、とっても興味深くて、共感したり、ガチ勢の勢いに震えあがったりできる、楽しい本でした。

月並みな感想ですが、「明日もがんばって推しを愛でよう」とか、「張り切って稼いでくるぞ!」みたいな気持ちになりました。

触って欲しい一心で浪費したい方、イベント前に美容関係整えたい方、是非お気軽に化粧品カウンターへお越しくださいね。

そして私に、推しのために稼がせてくれ!

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